天地と気象を図案化したものです。自然現象を表現するための記号などもあります。
「稲は雷によって孕む」といわれ、稲光が豊作をもたらすとの信仰から、室町時代から家紋として使用されています。 稲妻紋は雷紋ともいいます。この紋はその特殊性から呪符のようなイメージがあり、ポピュラーな家紋ではありません。 紋様は直線が繋がりながら曲折していく幾何学的模様で、古くから各種の器物や建築などに用いられています。 飛鳥・奈良時代に伝来。
遠方がぼんやりとする現象を図案化したものです。 古くから霞の模様は絵巻物などにも見られます。 遠近だけではなく空間の推移などの表現にも使われます。
変幻万化にその姿をかえ、文様や家紋に多く用いられています。 雲上・瑞雲・紫雲など、その雲の色や形で瑞兆吉兆を占う信仰される柄となっています。
月は古代より人々に親しまれ尊敬された自然神でした。 月辰信仰から紋に採用されていきました。 シンプルな三日月、八日月、弦月、満月などの月形のものと、 色々な図案と組み合わされたデザインがあります。 戦国時代の武将伊達政宗の月信仰や、浄土宗の宗紋は月影杏葉などが有名です。 星も運命を司る神として古来から信仰される天体です。 星では、天にあって不動の「北極星」やその周りを廻る「北斗七星」は古来から信仰の対象となってきました。 また三つ星は勝ち星といって、戦いに勝つ三つの大将を表わしています。 オリオンの三つ星(将軍星)も信仰されました。
波はそのダイナミックな造形と、龍神に代表される海の神・水の神をイメージするところから、 尚武を愛する武士の気質にあうものとして、その美しい模様が家紋に採用されたようです。
日出ずる国、天照大神、など古来から日本では太陽神を信仰していました。 皇室に使用される皇室紋などがあります。
山も古来から信仰の対象とされてきました。 特に、ひときわ形の美しい山や高い山は、神あるいは祖霊の棲む霊地として、家紋のモチーフとして採用されました。 富士山、阿蘇山、霧島山なども家紋になっています。 シンプルな山形紋、屈曲した山路紋があります。
雪の結晶は六方晶系で神秘的かつ美しい姿をしており、古く愛好されていました。 雪輪紋などは、他の紋の外輪として合わせて使われることもあります。